腎臓内科

腎臓内科について蛋白尿、血尿など尿検査の異常から腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、腎硬化症、多発性嚢胞腎、膠原病に伴う腎疾患、急性腎不全、慢性腎不全などの診断、治療を行います。最大限腎機能の改善、維持を目指し治療を行いますが、末期腎不全に至った患者様に対しては腎移植、人工透析(血液透析、腹膜透析)について十分な情報提供を行い、腎移植につきましては関連施設に紹介し、人工透析につきまては当院で治療を行うことができます。

腎臓の役割

腎臓は、私たちの体の中で様々な役割を担っています。

  • 血液の浄化: 血液を濾過し、不要な老廃物や毒素、過剰な水分を尿として排出する
  • 血圧の調整: 血圧を調整するホルモン(レニン)を産生し血圧をコントロールする。
  •  体内環境の維持: 体内の水分量やミネラル濃度(ナトリウム、カリウム、リンなど)を一定に保つ、
  •  骨の健康維持: 骨の代謝に欠かせないビタミンDを活性化する
  •  造血作用: 造血ホルモンであるエリスロポエチンを産生する。

腎臓

主な腎臓疾患・病態

糖尿病性腎症 (DKD)

糖尿病合併症です。高血糖状態が続くと腎臓の細い血管が障害、糸球体と呼ばれる構造の破壊を受けることで発症します。早い段階で治療を行うことで腎症の進行を遅らせることができますが、ある程度腎機能が悪化してしまうと食い止めることが困難になります。

慢性糸球体腎炎

腎臓の糸球体が慢性的に炎症を起こす病態の総称で、さまざまな原因(自己免疫疾患、感染症、遺伝性疾患など)によって引き起こされます。小児から高齢者まであらゆる年齢で発症する可能性があり、代表的なものはIgA腎症、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、巣状糸球体硬化症などがあげられます。腎生検による早期診断が治療、予後にとても重要になります。

腎硬化症

高血圧、加齢、喫煙などによる動脈硬化で腎機能が低下する疾患です。高齢者に多く、増加傾向です。

多発性嚢胞腎

遺伝子の異常によって起こる病気です。腎臓の尿細管の細胞に異常が生じ液体がたまった袋状の嚢胞が形成されます。嚢胞は徐々に増加増大し正常な腎臓の組織が障害され最終的に腎不全に至りますが、進行を遅らせる可能性のある治療薬があります。また心弁膜症、脳動脈瘤、大腸憩室などの合併症が多いことも知られており、全身の精査を行い早期かつ適切に治療を行うことで重篤な状態になることを未然に防ぐことが可能となります。

自己免疫疾患(膠原病)による腎臓病

自己免疫疾患は全身の様々な臓器に影響を及ぼす可能性があり、腎臓病を合併する疾患は複数存在します。その中でも全身性エリテマトーデス(SLE)や強皮症、シェーグレン症候群、血管炎などが知られており早期診断・治療がとても重要です。

ネフローゼ症候群

蛋白尿がたくさん出てしまうために、血液中のタンパクが減り(低蛋白血症)、むくみ(浮腫)が起こる病気です。ネフローゼ症候群の原因はさまざまで腎生検を含めた精査が必要です。
 

急性腎不全・慢性腎不全

腎不全は、腎機能の低下速度によって、急激に進行する急性腎不全と、緩徐に進行する慢性腎不全に大別されます。急性腎不全は、数時間から数日以内に急激な腎機能低下が生じ、緊急の治療を要しますが、原因疾患に対する適切な治療により腎機能の回復が見込まれる場合があります。急性腎不全では、尿量減少や無尿、浮腫などの症状が急激に現れます。
一方、慢性腎不全は、数ヶ月から数十年かけて徐々に腎機能が低下し、一度失われた腎機能の回復は困難です。したがって、慢性腎臓病による腎機能低下を早期に発見し、適切な治療を開始することが重要となります。慢性腎臓病による腎機能低下は、初期には自覚症状がほとんどなく、進行すると眼瞼や下肢の浮腫、倦怠感、尿量の変化、皮膚掻痒感、貧血、頻尿・夜間頻尿などの症状が生じるようになります。

透析治療を行っております

透析腎機能低下により体内に水分や尿毒素が蓄積すると、正常な生理機能を維持することが困難になります。慢性腎不全は、現時点では根治が難しい疾患で、最も広く行われている治療が血液透析です。血液透析では、患者様の血管に穿刺針を挿入し、透析器を通して血液中の老廃物や過剰な水分を除去し、浄化された血液を再び体内に戻します。
当院では、28床の透析ベッド(個室2床・半個室26床)を設置し、透析シャント手術・シャントトラブルに対する手術から透析治療まで一貫して対応致します。お気軽にお問い合わせください。

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