夜間多尿(Nocturnal Polyuria)
就寝時から起床時までの夜間尿量が、24時間尿量の割合の65歳以上では33%以上、若年成人では20%以上と定義されています。
主な原因
- 抗利尿ホルモン(ADH)分泌低下
- 心不全・慢性腎臓病・高血圧などの全身性疾患
- 睡眠時無呼吸症候群によるANP(心房性利尿ペプチド)増加
- 昼間の下肢浮腫が夜間に循環血漿量へ移行
- 就寝前の過剰水分摂取やカフェイン・アルコールの利尿作用
治療/対策
- 各原因に対する薬物治療、基礎疾患の治療、生活習慣の改善
夜間頻尿(Nocturia)
睡眠中に排尿のために1回以上覚醒する状態と定義されています。
主な原因
- 夜間多尿(前述)
- 膀胱容量低下:過活動膀胱、前立腺肥大症、加齢による伸展能低下
- 睡眠障害:不眠症、概日リズム異常、浅い睡眠
- 生活習慣:就寝前の過剰水分・利尿飲料、室温・環境の乱れ
治療/対策
- 各原因に対する薬物治療、基礎疾患の治療、生活習慣の改善
- 夜間多尿はあくまで「夜間の尿量増加」が問題であり、それ自体が夜間頻尿を引き起こす一因となります。両者は重複することもありますが、メカニズムや治療は異なります。
夜間多尿・夜間頻尿は一般的に泌尿器科で診断・治療を行いますが、内分泌疾患、腎臓内科疾患由来等のこともありますので、当院までご相談ください。